絵付け
相川 志保
Shiho Aikawa
1999年
石川県立九谷焼技術研修所 専門コース 卒業
有限会社マルヨネ 和陶房 入社
2004年
中村陶志人 師事
2012年
石川県九谷焼技術者支援工房 入所
2018年
伝統工芸士(九谷焼 加飾部門)認定
2019年
能美市九谷焼担い手職人支援工房 入所
- 作品
- Works
わくわく・ときめく物にしたい!と、愛と感謝の思いを色と線にのせて。
光輝く想い出を
-かわ-帯留
-クローバー-ブローチ
-ちょう-ショートネックレス
-ハート-ブローチ
-あじさい-ブローチ
-ゆず-ブローチ
-たいよう-ブローチ
-あじさい-ロングネックレス
- 作り手インタビュー
- Interview
つくる指針は「ときめくかどうか」。“宝物感”を「凸盛」で表現したい。
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普段はどのような作品を制作しているのですか
「凸盛(でこもり)」という技法を用いて、食器類を制作しています。凸盛は、九谷焼においては明治初期から置物制作を中心に用いられてきた技法で、約100年の歴史があります。「盛絵具」の立体的な表現が特徴で、“ぷっくり”とした触感も魅力です。私は自己流で制作を続けてきましたが、5年程前に伝統的な凸盛技法を知る機会をいただきました。現在は講師として、この技法を次の代に伝えていけたらと思っています。
私の作品は立体的な白線で描くことも多いのですが、伝統的な凸盛ではあまり「白」は使われないと後から知り、そういう意味では「知らなかったからこそ」生まれた作風といえるかもしれません。 -
Wear KUTANIでの作品づくりで大切にしていることは?
「気持ちがときめくかどうか」を「Wear KUTANI」の制作をする上で唯一の指針としています。やはりアクセサリーは、“自分の気分を上げる”ために身につけるものだと思うので、そのためにも、まずは自分自身が毎回ワクワクしながら制作していたい。だからこそ、同じデザインは二つとなくて、全てが「一点もの」なんです。その時々のときめく要素を小さなパーツに盛り込みながら、自分の気持ちがときめくまでは何度も描き直すことも。
また、Wear KUTANIではどの作家さんの作品も“宝物感”があると思います。凸盛の技法は立体感が出せるので、その特性を生かして「宝石」のような表現ができないかと現在チャレンジ中です。 -
Wear KUTANIを通じて伝えたいメッセージはありますか?
やはり、使っていただきたいですね。私が普段食器を制作しているのも「暮らしの中で “使えるもの” を作りたい」という想いからなので、それはアクセサリーとも通ずるところがあります。凸盛はその“触感”も魅力なので、ぜひ手にとって楽しんでいただけたら。
「Wear KUTANI」 の作品を介して「こんな九谷焼もあるんですね」と声をかけていただくことも多いです。「焼物でもこんなに可愛い表現ができる」ということを知っていただきたいですし、凸盛をはじめとした九谷焼の様々な技法も、アクサセリーを介して興味を持っていただけたら嬉しいです。一つのアクセサリーから「どんな作り手なのだろう」「産地に行ってみたい」と思っていただけるようなものづくりができたら最高ですね。
(取材:2024年1月)